不動産投資家が解説する「持ち家」と「賃貸」のメリットとデメリット
2021-07-04
本記事では「持ち家」と「賃貸」のメリットとデメリットを解説していきます。
このテーマは永遠に議論されているもので、いろんな専門家の方が自身の稀有な環境を鑑みないでポジショントークを展開して多くの人を混乱させているテーマでもあります。
しかし、得なのか損なのかという議論に対して、個別具体的に人それぞれ環境の違いがあるにも関わらず、一律に結論づけることは論理的ではありません。
よく言われている持ち家は負債という言葉がありますが、では賃貸のような高い賃料を一生払い続けることが果たして本当にお得なのか計算したことがありますか?
かくいうこの記事を執筆している私も、これだけ持ち家は負債だと言われている中で、東京に居住用として一戸建てを購入しました。私は持ち家派に分類されてしまうのかもしれませんが、持ち家を購入することは私にとってメリットの方が高かっただっただけで、人によっては「賃貸」の方がメリットがあるかもしれません。
「賃貸」か「持ち家」かは個別具体的に検討しなければならないにも関わらず、極端な意見で結論づけてしまうので、この議論は荒れてしまうのです。
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私は27歳の時に戸建てを購入しましたが、それは私にとって持ち家の方がメリットがあると判断したからです。
持ち家を購入する前は、2DKの東京都墨田区にあるマンションに住んでおり、毎月16万円の賃料を払っていました。
私は不動産投資家なので賃料の仕組みを理解してますが、賃料というのは貸主の利益が当たり前のように含まれています。
具体的には、賃料はその部屋にかかる固定資産税、修繕費、貸主の利益が含まれており、それを借主に負担する性質のものなのです。
ただ賃料に利益が含まれることは仕方がないことで、貸主もボランティアで物件を貸しているわけではなく事業として賃貸業を営んでいるので、所有するよりも割高になることが当然の結果なのです。
その結果、転勤族でもない私にとって、若いうちから住宅ローンを組むことで、捨て金として毎月の賃料を払うのではなく、自分の資産のローンの返済として毎月お金を払う方が長い目で見た時にメリットがあると判断しました。
不動産投資家である与沢翼氏は、持ち家派か賃貸派かの議論を一刀両断されていました。
与沢氏いわく、持つか借りるかで言ったら、絶対に持つ方が良いに決まってるとのことです。
その理由は、この議論は、一生に一度しか家を購入出来ない人がする議論でしかないとのことです。
この意見もかなり極端な意見になりますが、ただ確信を突いた意見だと私は思っています。
冒頭でも解説しましたが、賃料というのは税金や修繕費だけでなく、貸主の利益も上乗せされてしまっているため、金銭的に見ればお得であるという考え方は間違っているからです。
「賃貸」か「持ち家」かで議論をする場合、「賃貸」がお得だという意見は不動産投資家から言わせればとても大きな間違いで、物件の投資にかかる費用をいかに早期に回収するかを念頭において賃料を設定しているため、「持ち家」よりも毎月の賃料がお得になることは言い切れません。
しかし、サラリーマンにとって、家を購入するというのは一大イベントなので、慎重に検討したいですよね。
不動産投資家の私の意見としては、持ち家派か賃貸派の議論は、住む人の環境や属性によって異なります。
「持ち家」の方が将来的な費用負担は少なくなるといっても、サラリーマンにとって大きな買い物になってしまうため、そこは正確に判断しなければなりません。
従って、「持ち家」と「賃貸」のメリットとデメリットを正確に見極めてあなたにとって最適な答えを導き出す必要があります。
メリットとデメリットについては、これから解説しますので、それを踏まえて他人の意見に流されるのではなくあなたにとって一番適切なのはどちらかをしっかりと考えて選択しましょう。
では、賃貸のメリットについて解説していきます。
まず、賃貸のメリットについて、気軽に引越せるところが一番大きいです。
例えば、人生を生きていく上で、ライフイベントが定期的に発生し、結婚をしたり子供が生まれれば家族構成が変わってきますよね。
サラリーマンの場合、転勤族であると持ち家を購入したにも関わらず、転勤してしまっては、転勤先でも家賃が発生して、持ち家でも住宅ローンが発生してしまう事態に陥ってしまいます。
一方で、賃貸の場合は、自由に家族構成に適した広さや部屋数の住宅に住み替えることが可能なため、この点は持ち家にはない大きなメリットになります。
全く使うことなく、物置になってしまった部屋が発生することは無くなります。そのため、賃貸なら転勤や子どもの学校が変わったときなども、通勤・通学に合わせた物件に引っ越すことが可能になるのです。
また、例えば隣に住んでいる人とトラブルが合った場合、引越すことで解決できる点も賃貸のメリットです。
持ち家の場合だと、住民トラブルが起きた時にずっと我慢しなければならないというデメリットがあるため、その点において賃貸は自由に住み替えが出来るのはメリットになり得ます。
逆に持ち家の場合は、隣人に暴力団関係者や騒音トラブルを引き起こす人が住んでいないかを事前に確認しましょう。
例えば、賃貸住宅の場合であるとエアコンなどの住宅設備が故障した場合、基本的に貸主側が故障代を負担します。
賃貸の場合、設備や家が古くなったら、新しい綺麗なマンションに引越すことも可能なのです。
常に新築の住み心地が良いというのであれば、賃貸で新しい物件に住み替え続けるというのも良いかもしれません。
「持ち家」の場合だと古くなったとしても住み続けなければなりませんので、ずっと新しい環境に住みたいという人にとっては大きなデメリットになります。
さらに、水害や地震などでマンションが破損した場合、損失は貸主負担になるところもメリットと言えますね。
日本は特に水害の多い国になりますので、氾濫しやすい河川近くに家を建ててしまうと、水害の度に寿命が縮まる思いをしてしまいます。
賃貸であれば、地震や水害で壊滅的な被害を受けたとしても、住み替えれば良いだけなので、大きな損失は避けられるのは大きなメリットですね。
ただ持ち家の場合も、災害リスクに備えて保険に加入してリスクヘッジする方法もあるため、ご安心ください。
賃貸の場合は毎月賃料を支払う必要がありますが、一方で賃貸の場合は住宅ローンという多額の債務を負うことが無いことはメリットです。
35年ローンという多額の債務を負うことが無いというのは、精神的負担は少なくなります。持ち家を持つことで発生する固定資産税や修繕費なども賃貸では発生することはありませんので、賃貸は毎月の賃料は持ち家と比較して割高ですが、精神的な負担の意味でも賃貸の方が軽いことが言えます。
ただ発生することは無くとも、貸主もボランティアで賃貸業をしているわけでは無いので、賃貸の賃料に貸主負担分の修繕費や固定資産税、利益が乗せられていることが一般的です。
・賃貸の場合は気軽に引っ越すことが可能 ・水害震災で破損した場合、自己負担は無し ・多額の借金を負わないため精神的負担は少ない ・固定資産税や修繕費が発生しない
では賃貸のデメリットについても解説していきます。
賃貸のデメリットは所有をしないことにより、家賃を一生払い続けなければならない点がデメリットになります。
住宅ローンという多額の債務を負うことはありませんが、住宅ローンはどんなに長くても35年間で終了します。
老後の年金暮らしになってからは、家賃を支払い続ける生活は負担になり続けます。
いつまでも家賃の支払いを気にしなければならないという点は、賃貸のデメリットになります。
賃貸のデメリットですが、都心部は賃貸専用の住宅は単身者など少人数世帯向けが多く、ファミリー向けは探すのが大変です。
グレードを維持するならば、分譲マンションを賃貸として借りる分譲賃貸という選択肢があります。
しかし、分譲賃貸は家賃設定が非常に高く、結果的に住宅ローンの負担よりも大幅に高くなる傾向があります。戸建ての賃貸も探せば無いこともありませんが、やはり物件の数は少なく、さらに家賃設定も普通に借りるよりも割高になっているケースがあるため、こちらもやはり持ち家の方が有利になります。
賃貸住宅は自分の好みに合わせてリフォームすることが出来ないため、この点は「持ち家」と比較してデメリットになります。
壁に穴を開けてしまえば退去時に多額の原状回復費が請求されるケースもあります。
実際に私は以前墨田区の2DKのマンションに住んでいましたが、マンションの壁にテレビを掛ける用の穴を空けてしまい、多額の原状回復費を請求されました。
ただ、補足になりますが、原状回費というのは借主が泣き寝入りするケースが多く、請求額を確認したらしっかりとその金額が妥当かどうかは判断しましょう。
私は退去する際に、保証金の他に30万円以上の原状回復費を請求されて、納得することが出来ずに支払いをせずにいたところ少額訴訟にまで発展しました。
判決としては、私は提訴された側ですが支払金額が30万円から2万円まで減額して、結果として合理的ではない多額の原状回復が上乗せされていたという裁判官の判断になりました。
原状回復費を請求された場合は、本当にこの請求金額が妥当であるかの判断をお支払いするようにしましょう。
賃貸に住み続けるデメリットとしては、高齢になって年金以外の収入がなくなると、借りられる物件が限られていきます。
例えば賃貸のメリットとしてライフスタイルが変わる度に引っ越すことが出来るのがメリットとして挙げられますが、老後に簡単に引っ越せるかというとそうではないケースが多々あります。
老後は子供も結婚して家を出ていき3LDKのマンションから引っ越すことを想定している場合でも、働いていなければそう簡単に審査が通らないのが実情です。
大家側の視点では高齢者が亡くなった場合に、所有している物件が事故物件となり資産価値がガッツリ下がってしまうケースがあるため、高齢者の入居を渋る大家も一定数います。
そのため、一般的な賃貸住宅の場合、審査が通らないこともあり得るため気をつける必要があります。
・単身向け、少数世帯向けの物件が多いためファミリー向けは少ない ・生涯家賃を払い続ける必要がある ・リフォームすることが難しい ・年収が低いと審査が通らない場合がある
では、持ち家のメリットについて解説していきます。
持ち家のメリットですが、住宅ローンの返済が終わればキャッシュフローが改善されることが挙げられます。
住宅ローンが完済すればそれは名実ともにその物件はあなたの物件となります。
住宅ローンを完済すれば居住費として発生するのは固定資産税や修繕費程度です。これは持ち家の最大のメリットで、老後は引っ越そうにも賃貸の場合は審査が下りない可能性があるため、持ち家であれば老後はお金の負担が軽減されます。
ただし、区分マンションの場合は、管理費が発生することとなり、年数が経過する毎に増える傾向にありますので、管理費の負担も念頭に置いて購入する必要があります。
賃貸のデメリットで、自由にリフォーム出来ないことがあげられましたが、持ち家の場合は、お金をかければ自由にリフォームすることがメリットです。
例えば、戸建てであれば、同じ土地に建て替える事も出来ます。
所有をしている結果、誰の目も気にせず自由にリフォームや建て替えを行うことが出来るのが持ち家のメリットとなります。
持ち家は資産になるため、最終的には売却することが可能です。
しかし、賃貸はいくら賃料を払っても所有物になることはないため、毎月の賃料は捨て金として表現されることがあります。
しかし、持ち家なら買い手を探せばいつでも売却して現金化する事も可能なのです。
ローン返済後に売却して住み替えを行なって、差額を老後のための費用として使用することも可能です。
・住宅ローン完済後は負担減少 ・誰の目も気にせずリフォーム可能 ・住宅の品質が高い ・返済途中でも売却可能
では、持ち家のデメリットを挙げていきます。
持ち家のデメリットは気軽に引越せない点です。
賃貸と比較すると気軽に引越しをする事が出来ないため、多少の不満があっても我慢して住み続けなければなりません。なぜなら、ローン完済前に引っ越すのであれば、ローンの支払い以外に引越し先の賃借料の支払いも発生するため、固定費が増加してしまいます。
また、住宅ローンで購入している物件を、賃貸に貸し出すことは基本的に銀行は認めていませんので、もし銀行にバレてしまえば貸し剥がしを受けるリスクがあります。
例えば、持ち家を売却して買い換える方法もありますが、仲介手数料等の買い替えに伴う諸費用が嵩んでしまいます。
また、持ち家を売却したくとも買い手が現れないケースもあります。例えば、不動産相場が値下がりしてしまい、売っても売却したとしても住宅ローンが残ってしまうケースです。
売却できるメリットはあるものの、売却には諸費用が発生するため、計画的に売却を検討する必要があります。
自分の所有物である事で、修繕費が発生するのはデメリットの一つです。
例えば、エアコンが壊れたら、そのエアコンはあなたの所有になりますので、賃貸とは異なりお金を払って修理しなければなりません。
地震や水害で建物が破損した場合も多額の費用が発生します。そうならないように、地震保険などに加入することになるのですが、その費用も賃貸なら必要ありません。
持ち家を購入する時は諸費用の負担があります。
不動産の購入は大きなお金が動くため、諸費用も物件金額に比例して大きくなってしまいます。
この点においても、賃貸に比べてデメリットと言えますね。
例えば、仲介手数料・登録免許税あたりは物件価格や課税標準額が高ければ高くなるほど比例して大きくなる諸費用になります。
・簡単に引っ越しすることが難しい ・修繕費が発生する ・購入時や売却時には諸費用が発生する
例えば、賃貸住まいを続けた場合をシミュレーションして、上記のメリットやデメリットを踏まえてどちらがあなたにとってどちらが最適なのかを考えてみましょう。
まず世帯主の年齢が30歳で、2歳の子が1人いるケースを前提としてシミュレーションしてみます。
まだ子供が2歳で小さいので1LDKの賃貸住宅に入居すると想定してみます。
都内の1LDKで家族3人が暮らせるマンションの家賃相場は月額15万円程です。
さらに、入居時の敷金・礼金や仲介手数料として3カ月分の45万円を支払うことにします。
そして、入居後は更新料として家賃1カ月分が2年に1度発生します。
子どもが小さければ1LDKタイプでも良かったのですが、中学生にもなれば1LDKでは手狭になるため10年後に今よりも広い賃貸住宅に引っ越すことになるでしょう。
3LDK程度のファミリータイプなら都心の家賃相場は月額20万円程度です。
入居時の費用とその後の更新料は当初と同じ計算で求めていきます。
さらに10年後、子どもが大学を卒業すると同時に家を出ると想定した場合、夫婦2人用に家を少しサイズダウンします。
また、夫婦2人といえどワンルームに住むわけにはいきませんので、1LDKにサイズダウンをして家賃は月額15万円と設定してみます。
その後はずっと同じ家に住み続ける想定です。
賃貸住まいでかかる住居費は基本的にこれだけです。
これを世帯主が80歳までの50年間合計した家賃の合計が9,600万円、入居時の費用と更新料の合計が550万円。
合計して1億150万円の支出になりました。
家賃設定は少し高めではあるものの、大きく結果は変わることは無いでしょう。
持ち家を購入することは負債を購入すると言われていますが、賃貸での支出も相当なものであることが上記のシミュレーションから理解出来ます。だからと言って、賃貸が良いとか、持ち家が良いとか、人によっていろんな背景がありますので、簡単に結論が出せる議論ではありません。
そのため、購入する場合は、自分の環境や将来の計画をよく検討した上で、決断する必要があります。
以上となりますが、本記事があなたの今後の生活に少しでもお役に立てれば幸いです。
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賃貸が良いとか、持ち家が良いとか、人によって背景が異なるため簡単に結論は出すことが出来ない。自分の環境や将来の計画をよく検討した上で、決断しよう。
馬場生悦
SEIJOHOME株式会社代表取締役。都内で不動産賃貸業と不動産管理・仲介業の法人を2社経営中。初心者の方でも安心してお引越しができるようにお部屋探しのためになる情報や不動産投資の経験に基づいた失敗しないための情報やマインドを発信します。保有資格は宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、損害保険募集人。
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